~社寺建築☆美の追求~ 大岡實の設計手法
 大岡實建築研究所
  HOME > 作品目録 > 新築作品 > 神社・寺院 > 本堂 > 龍宝寺 本堂

龍宝寺本堂(神奈川県鎌倉市)
玉縄城2代目城主北条綱成が文亀3年(1503年)に建てた瑞光院がこの寺(曹洞宗)のはじまりであるという。昭和26年(1951年)、龍宝寺は漏電とも言われる火災により建物のほとんどが焼け、残ったのは山門と鐘楼だけになったが、昭和35年(1960年)大岡實建築研究所の設計で、本堂が再建された。龍宝寺の先代の住職が横浜国立大学図書館の事務長も兼ねていたことで同大学の教鞭をとっていた大岡實に住職から依頼があったという。(松本曄氏の奥様である松本房子さんの証言より)ここでは本堂の他に庫裏・客殿、鐘楼そして幼稚園舎も設計し実現している。大岡實建築研究所としては数少ない木造の最初の作品である。(幼稚園舎のみ鉄筋コンクリート造)
設計図(案)/作品の中では唯一と思われる花頭窓が採用されている
重層入母屋屋根、銅板葺き/屋根の軒反りの曲線がゆるやかで穏やかさを出している
立面図
正面立面図
木造の本堂としては大型の部類である
上下の屋根の斗栱の違いがみてとれる/花頭窓のデザインが独特である
本堂施工の蔵並工務店はこの後、泉光院の本堂にも携わっている
断面図(左)/平面図(右)
小屋組断面図
本堂(右手)から左手の位牌堂・開山堂へと繋がる
小屋組断面図
禅宗(曹洞宗)寺院からか、斗栱廻りもシンプルなデザインとなっている
向拝部分断面図
軒先及び内部折り上げ天井断面図
一般軒廻り詳細図
下層小屋伏図(左)/上層小屋伏図(右)
さて、他の作品も見てみよう。
庫裏・客殿
鐘楼
案内板に「(けやき)一本造」とある
施工の安田工務店はこの後、聖光寺の鐘楼にも携わっている
設計図
断面詳細図
上は天井及び軒見上げ図/下は梁・桔木(はねぎ)伏図(左)、屋根・母屋・垂木伏図(右)
玉縄幼稚園舎
右端の1ブロック(エキスパンションから右の一角)は後年の増築のようだ
年月 西歴 工事名 所在地 工事期間 助手 構造設計 施工 構造種別
昭和30.12 1955 龍宝寺 本堂 神奈川県鎌倉市 昭和30.12~32.01 松浦弘二 松浦弘二 藤並工務店 木造
昭和32.05 1957 龍宝寺 庫裏・客殿 神奈川県鎌倉市 昭和32.01~33.12 松浦弘二 松浦弘二 小林工務店 木造
(意匠設計共)
昭和42.03 1967 龍宝寺 鐘楼 神奈川県鎌倉市 昭和42.03~42.12 松浦弘二 松浦弘二 安田工務店 木造
昭和43.06 1968 龍宝寺 幼稚園舎 神奈川県鎌倉市 昭和43.06~44.01 松浦弘二 国建築事務所 安田工務店 RC造
(意匠設計共)

㈱安田工務店 千葉県市原市八幡2062

案内板/本堂・鐘楼の項に「大岡実博士設計」の文字がみえる

より大きな地図で 大岡實建築研究所 建築作品マップ を表示
     
Copyright (C) 2012 Minoru Ooka Architectural Institute All Rights Reserved.