〜社寺建築☆美の追求〜 大岡實の設計手法  大岡實建築研究所
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宝幢院(ほうどういん)本堂(東京都大田区)

斉藤昌昭氏撮影

真言宗智山派の寺院で、平安時代末期に行観上人が開創したと言われている。以来、八百五十有余年にわたり、真言密教の教えを伝えてきた由緒ある寺院で、弘法大師玉川八十八箇所霊場第八十八番、武相不動尊霊場第二十二番、東海三十三観音霊場第十七番として崇信されているという。昭和54年にこの遍照殿(or大日堂、不動堂)/木造が完成している。

平面図

木造平屋建/正面三間、側面三間/組物舟肘木(ふなひじき)/一軒半繁垂木(いちのきはんしげだるき)/宝形造(ほうぎょうづくり)/銅板葺き/向拝(ごはい)屋根葺下(ぶきおろし)/素木造り

正面立面図

斉藤昌昭氏撮影

銅板屋根の葺き方/軒先は5段貼り、定尺八ツ切、横一文字(いちもんじ)葺き、(すみ)(はまぐり)

断面図

断面図

一般軒廻り断面詳細図

軸部の木材/柱材は尾州(ひのき)上小(背割付き)

斉藤昌昭氏撮影

一般の見え(かが)り材/丸桁(がんぎょう)組物(くみもの)茅負(かやおい)裏甲(うらごう)隅木(すみぎ)垂木(たるき)縋破風(すがるはふ)長押(なげし)地覆(じふく)等はスプルス材、浜縁(はまえん)々板・縁束・(かずら)(ぬき)(ひのき)上小

向拝屋根及び大屋根軒反(のきぞ)り原寸施工図

屋根屋垂(やだるみ)み原寸施工図

屋根(すみ)詳細図及び垂木詳細図

斉藤昌昭氏撮影

斉藤昌昭氏撮影

垂木、肘木(ひじき)隅木(すみぎ)とも下端(したば)(めん)がとってある

面取(めんと)り状況

小屋伏図

一般の見え(かくれ)れ材/小屋組材・床組材・屋根材・壁材等は桧・松・杉等、そして化粧、造作の木材/洋木材(スプルス等)、内地材、また柱は真去(しんさり)でないものは背割(せわり)付きとなっている

斗拱(ときょう)(舟肘木)詳細図

身舎(もや)柱廻り詳細図

向拝(ごはい)柱廻り詳細図

斉藤昌昭氏撮影

宝珠(ほうじゅ)露盤(ろばん)詳細図

なお、施工は眞光寺(しんこうじ)本堂以来のつな がりを持つ鈴木社寺工務所が担当している。
年月 西歴 工事名 所在地 工事期間 助手 構造設計 施工 構造種別
昭和53.01 1978 宝幢院 大日堂(不動堂) 東京都大田区 昭和53.01〜54.08   松浦弘二 (意匠設計共) 松浦弘二 鈴木社寺工務店 木造

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ここに遍照殿の落慶法要の写真が残っている。

後列、向拝の右柱を背にして松浦弘二

なお、宝幢院境内には延宝9年(1681年)鋳造といわれる大田区内最古の梵鐘(大田区指定文化財)がある。下記にその参考ホームページを紹介する。

http://otaku.edo-jidai.com/30.html

斉藤昌昭氏撮影

斉藤昌昭氏撮影

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